日本語フォントでU+5Cの字種が逆斜線でなく円記号である理由
7ビットの符号空間を持つISO 646で国/言語ごとに違う文字を割り当てることが決まった符号位置に日本では円記号を割り当てたから。これは他の国/言語でも同様にいろいろな文字が割り当てられている(参照)。
円記号以外では、符号位置7Eにはチルダではなく上線(オーバーライン)が設定された。当時のISO 646のIRV(International Reference Version、国際基準版)1973年版ではチルダではなく上線であった。
その後、8ビットの符号空間を持つISO 8859が作られることになるが、ヨーロッパの言語でさえ8ビットの符号空間には文字が収まりきらずに同じ符号位置に異なる文字を割り当てたパターンが16部(1部廃止)も作られた。その第1部がMIME名「ISO-8859-1」の通称「Latin-1」である。ISO 8859は「ISO-8859-1」から「ISO-8859-16」まである。
しばらくしてUnicodeとISO 10646が作られはじめ、現在に至る。すでにISO 8859の開発は終了していて、Unicode/ISO 10646の開発に専念されている。
参考
字 | Unicode | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|
\ | U+005C |
\ \ |
逆斜線 |
¥ | U+00A5 |
¥ ¥ ¥ |
円記号 |
~ | U+007E |
~ |
チルダ |
‾ | U+203E |
‾ ‾ ‾ |
上線 |